概 要


美術教育専修は、

1)美術教育学
2)絵画
3)彫塑
4)デザイン
5)工芸
6)美術学・美術史

の6分野により構成されている。学校教育における美術科および地域教育、生涯学習における美術のあり方を追求しつつ、美術に通じて築かれる豊かな社会の指導的人材を育成することを主な目的にしている。9人の専任教官が相互の連携を図りつつ、各専攻分野の研究教育を展開している。 本専修は、修士課程に相応しい、美術教育に関わる高度な指導上の実践力・理論的研究能力を養い、上級免許の教員養成、教師教育を行う。また、特に実技制作活動を研究し、あるいは、美術学・美術史を研究しようとする者に対しては、あわせて美術家養成の観点から専門性を重視した教育を行い、自主的な研究の場と情報を提供する。 専門科目は以下の開講授業科目(平成15年度現在)によるが、絵画には版画、工芸には窯芸、染色が含まれる。修了研究(特別研究)として、理論専攻者には修士論文、実技専攻者には修士論文に代替する修了制作が義務付けられている。

1.美術科教育分野

児童・生徒の自己表現のための手段の獲得、生活を豊かで楽しくするための発想や工夫、美術・工芸・デザインの鑑賞による情操・感受性や批評・思考力の発達、日本や外国の文化の理解、そして美術を愛好する心の育成を目的として、美術を通した教育について理論的・実践的に研究する。

2.絵画分野

この分野は第1絵画、第2絵画、版画の各研究室から構成され、絵画および版画の制作研究がテーマになる。第1絵画は心象画的視点から写実表現を研究、第2絵画は抽象画的視点から表現を捉えた研究、版画は技法材料の研究と版画表現の研究が行われている。

3.彫塑分野

人体を基本に彫刻制作の研究を行なっている。素材としては石彫、木彫、金属、テラッコッタなどの実在を中心に取り組んでいる。表現方法としては具象、抽象と幅の広い研究に成っている。発展的には野外彫刻や彫刻シンポジウムを用いた都市景観との関わりを実践的に研究している。

4.デザイン分野

視覚伝達媒体としての印刷物・屋外表示物やデジタル映像表現におけるメッセージ性をはじめとして、広く、日用品から街空間に至る機能造形・生産性を対象に、コンセプト、CAD等によるプレゼンテーション手法の思考を通してデザイン構築に対するVISUAL SOLUTIONを図っている。

5.工芸分野

金属工芸、窯芸、染織など幅広い分野が工芸分野である。素材の特質を生かしつつ形態や技法の研究を重ね、芸術としての鑑賞性という機能と装飾性という機能に加え用具としての機能も合わせて考察しながら制作を通して研究をすすめている。

6.美術学・美術史分野

当分野では、美術作品の深い理解を通じて、美術教育に資することを目的としている。従って、具体的な作品研究を、美術理論または美術史的手法を用いて追求することになる。田中の専門性から、日本美術の古代〜中世の絵画・彫刻表現および現代の美術の抱える諸問題が主なテーマとして考えられる。

美術教育専修の各教員の主な研究テーマ


種倉 紀昭  (たねくら のりあき/教授)
・大学等における絵画(実習および理論)の指導法・教授法
の改善
・今日的絵画表現のための西洋絵画および東洋絵画の方法的融合

煤孫 康二  (すすまご こうじ/准教授)
・美術・工芸科教育の理論および総合造形の理論的研究
・美術教育における現代美術の位置付けに関する実践的研究
・英国の美術・デザイン教育に関する研究

本村 健太  (もとむら けんた/准教授)
・バウハウスの研究
・芸術教育研究
・映像メディア表現

近藤 克義  (こんどう かつよし/教授)
・絵画制作の研究(抽象表現)
 
藁谷 収  (わらがい おさむ/教授)
・石彫制作
・都市空間と彫刻

田中 隆充  (たなか たかみつ/准教授)
・工業デザインにおける実践と理論の融合に関する研究
・商品企画における創造的コンセプト生成のための発想支援
の研究
・地域の特性を活かした時間軸のアーカイブ化に関する研究
・情報商品をマーケット化する方法論の研究

阿部 裕之  (あべ ひろゆき/教授)
・日本の伝統的込型鋳造法の研究
・日本の伝統的惣型鋳造法の研究
・日本の伝統的蝋型鋳造法の研究
・ヨーロッパ式石膏鋳造の研究

田中 惠  (たなか めぐむ/教授)
・日本の古代〜中世彫刻史 ―特に神仏表現について
・日本の16世紀絵画史 ―伝統と変革について
・日本の20世紀美術 ―科学と地域性について


これまでの修士論文題目の紹介

・抽象絵画による「交流」の表現研究
・1.communication (162.0×162.0p/oil on canvas)
 2.系譜 (14.0×18.0p,40点/oil on canvas)
・野外作品の設置についての考察 「軌跡」 寸法 縦2.5m×横2m×高さ2.1m
・石の彫刻による人体表現 「ミエテイナイヒトX」 玄武岩,鉄 300×160×140
・写真画像による人間的視点の表出の研究
・1.Red (123.0×123.0cm/acrylic on panel,cotton)
 2.Yellow (123.0×123.0cm/acrylic on panel,cotton)
 3.Green (123.0×123,0cm/acrylic on panel,cotton)
 4.Blue (123.0×123.0cm/acrylic on panel,cotton)
・「記憶の旅」 安山岩 (1.400×2.300×1.550mm)
・マンセル「色彩表記法」における色彩教育について
・アーバン・ファニシングの研究と制作
・高速情報通信社会における共有文化の経済についての 一考察
・1.明けゆく季節T (47.5×72.0cm/エッチング・アクアチント)
 2.明けゆく季節U (47.5×72.0cm/エッチング・アクアチント)
 3.明けゆく季節V (47.5×72.0cm/エッチング・アクアチント)
・「編む」行為による造形と表現ー指さきからー (植物性繊維による立体作品)
・1.有機No.1 (194×259cm/oil,acrylic on panel,cotton)
 2.有機No.2 (194×259cm/oil,acrylic on panel,cotton)
・プログラミングによる映像と音響が生み出すマルチメディアUへの一考察




開講授業科目
美術科教育 美術科教育学特論I・II・III
美術科教育学特別演習I・II・III
絵画 絵画特論I・II
絵画特別演習I・II・III・IV
彫塑 彫塑特論
彫塑特別演習I・II・III・IV
デザイン ビジュアルコミュニケーションデザイン特論
ビジュアルコミュニケーションデザイン特別演習I・II・III・IV
環境デザイン特論
環境デザイン特別演習I・II・III・IV
インダストリアルデザイン特論
インダストリアルデザイン特別演習I・II・III・IV
工芸 金属工芸特論
金属工芸特別演習I・II・III・IV
染織工芸特論
染織工芸特別演習I・II・III・IV
美術理論・
美術史
美術学・美術史特論
美術学・美術史特別演習I・II・III・IV