国語教育科
国語教育科の紹介
国語教育科の教員は、小学校教育コース国語サブコース及び中学校教育コース国語サブコースでの教育活動を担当しています。国語サブコースの授業科目は、大きく教科専門科目と教科教育科目に分かれています。教科専門科目としては、現代・古典の日本文学を学ぶことによって文章の読解力・表現力を向上させ人間の思想・信条についても深く理解する国文学分野、日本語の文法・語彙・方言・歴史等について学び言語コミュニケーションの全体的理解を深める日本語学分野、日本文化に大きな歴史的影響を与えている中国古典について学ぶ漢文学分野の授業科目が用意されています。これらの教科専門科目を踏まえて、国語科の授業実践について理論・歴史・臨床等の観点から学ぶ国語科の「扇の要」としての国語科教育分野の授業科目が教科教育科目として置かれています。また、近年の国際課に伴い生じている学校内での日本語支援の必要性に対応するために、日本語教育分野の授業科目も用意されています。これらの授業科目の現在の担当教員体制は以下に示す通りですが、これらに加えて学内兼任教員(日本語教育分野)・非常勤講師が教育体制に加わることによって、充実した国語科に関する教育活動を展開しています。
研究室の紹介 - 教 授 : 藪 敏裕 -
古代中国における詩・書を中心とする古典が制作・伝承され経書となる過程を解明する、儒教経典形成史を専門とする。特に原子儒教が孔子を経由して漢代に経学となる過程に関心の中心を置き、文化史的、思想史的な観点から解明を進めている。また近年は、西洋近代に生まれたこうした文献学的な研究方法自体の問題点を、伝統的な経書の扱いと比較することによって問い直し、新出土資料等を使用して歴史的・批判的方法によっては解明できない経書の研究方法の模索を進めている。
- <研究内容>
- 詩経解釈史、儒教成立史、漢代思想史
- <講演・講義可能なテーマ>
- 古代中国文化史、東アジアにおける平泉庭園の系譜
出土資料からみた儒教の成立
研究室の紹介 - 教 授 : 菊地 悟 -
ここ数年担当している日本語教育実習が国際交流基金の海外日本語インターンシップ事業に採択され、清華大学での本実習に加えて寧波大学での見学実習を実現できました。寧波大学は私自身初訪問でしたが教育学部ゆかりの先生方のおかげで、充実した実習になりました。研究の方では、『和英語林集成』再版「英和の部」の索引作りが逆引き確認の作業を終えたところです。また、啄木の「ローマ字日記」のローマ字表記研究、「菜食」「妙齢」の語史研究が課題です。
- <研究内容>
- 『和英語林集成』「英知の部」を中心とする訳語研究、語種イメージの研究
石川啄木のローマ字表記の研究 - <講演・講義可能なテーマ>
- 外来語と訳語、いろはと五十音
啄木のローマ字
研究室の紹介 - 教 授 : 藤井 知弘 -
国語科教育学を専門としています。埼玉の大宮で小学校教員をしていたので、学校現場に研究の基盤を置き、国語の授業創り、授業研究と分析などを講義やゼミなどで学生と一緒に探求しています。日本国語教育学会、全国大学国語教育学会、日本教育方法学会、日本読書学会などに所属しており、最新の国語教育に常に目を向けながら研究活動をしています。研究室では今まで多くの卒業生を出しましたが、正規教員に87%の人がなっています。教科として最も時間数の多い国語科です。教員養成も重要な意味を持っています。
- <研究内容>
- 国語科教育における読書教育の研究(読者論、読者反応研究を中心に)
教育実践場面における学習者研究、国語教育実践場面分析 - <講演・講義可能なテーマ>
- 子どもと読書、国語の授業方法論、子どもと学校生活、
言語生活と国語力
研究室の紹介 - 准教授: 岡田 浩行 -
明治期以降の文学や言説を対象として、その社会的機能や思想性、表現の同時代的な特質および時代的な変遷を研究する日本近代文学を専門としています。特に批評家小林秀雄に焦点を当て、批評表現と小説表現の連関について研究しています。小林と同時代である1920年代の文学、特に新感覚派や宮澤賢治についても関心をもっています。
時代の変遷にともない、教育現場では教育内容・方法の刷新が著しく進んでいます。目下、国語の教員は、従来の教材分析だけではなく、国語の教科としての存在意義をみずから創出することが求められるようになりました。それゆえ、日本語の語学文学の専門家とならずして、国語の教員としての責任は果たせないと考えます。
研究室では、まず文学作品の読みとりを行います。国語の教員として必要な解釈能力を身につけるべく、教科書の特定の教材だけではなく、幅広い時代から、多様なジャンルの作品を採りあげ、その読みとりにチャレンジします。小説および批評作品の着実な解釈をおこない、それを同時代調査によって論証する研究の手立てを身につけます。それが各学生の卒業論文作成の基礎となります。
- <研究内容>
- 小林秀雄の初期批評研究、新感覚派の小説表現の研究、宮澤賢治の小説研究
- <講演・講義可能なテーマ>
- 震災にともなう文学言語の変容