社会科教育科
社会科教育科の紹介
社会科教育科の専門教育は、2年生の後期(10月)から研究室に所属することから本格的に始まります。それぞれの研究室では、演習や実習を通して専門分野についてさらに深く勉強します。
現在、研究室としては、考古学、人文地理学、日本史、世界史、法学、社会学、倫理学、社会科教育学(地歴分野、公民分野)の8領域9つの研究室が開設されています。各研究室の教員がみなさんの実質的な担任として対応しています。学問のこと、進路のこと、学生生活のことなど、なんでも相談してみてください。
いつでも研究室を訪ねて見てください。教員だけでなく学生も、できるだけお相手したいと思います。
研究室の紹介 - 教 授 : 佐藤 由紀男 - (生涯教育課程担当)
縄文時代から弥生時代へと変化する紀元前一千年紀の研究を主に進めています。現在の鍋・釜に相当する甕・深鉢形土器の大きさや使用痕の変化から、食生活や生業の変化を追求しています。また、石器の比重から流通を考えたりもしています。列島内の異文化間の関係にも興味があり、沖縄や北海道にも出かけて資料調査をしています。学生とは盛岡市内の米内川流域の遺跡踏査を行っており、写真は出土した土器の接合をしているものです。
- <研究内容>
- 縄文・弥生移行期の研究、日本列島内異文化の比較研究
- <講演・講義可能なテーマ>
- 東北地方における弥生文化のはじまり、東北弥生文化と北海道縄文文化について
研究室の紹介 - 教 授 : 今野 日出晴 -
学校教育のなかの社会科教育を専門としています。学生や院生、そして県内の先生方とともに、具体的な授業づくりを通して、歴史教育の理論と実践について研究しています。また、戦争体験や戦場体験などの個人の体験を、全体の歴史にどのように位置づけ、描いていくことができるのか、歴史認識や歴史叙述の問題を考えてきました。小さな声に耳をすまし、歴史に生きた人々の経験に立ち戻ることの重要性を感じています。
- <研究内容>
- 歴史教育の理論と実践、戦争体験・被爆体験論
- <講演・講義可能なテーマ>
- 歴史教育論の現在、戦争体験から学ぶこと
研究室の紹介 - 教 授 : 安井 もゆる -
西洋史のゼミでは、外国語や日本語の文献を読んだり、学生が自分の研究内容について発表したりしています。私自身の専攻は古代ローマ史ですが、学生たちは古代から近現代にいたるまで、それぞれ好きなテーマを選んで勉強しています。
- <研究内容>
- ローマ共和政政治史、西洋古代における歴史叙述
- <講演・講義可能なテーマ>
- 西洋古代史研究の現状
研究室の紹介 - 准教授 : 土屋 直人 -
戦前・戦後の教育史・教育政策の展開等を視野に入れつつ、政治的教養・市民的資質の形成という問題意識から、公民教育の歴史・理論及び実践について勉強しています。また、昭和戦前期・戦後初期の東北における生活綴方実践、北方(性)教育の教育遺産に着目し、資料収集や教育実践記録の講読などを通して教師たちの歩みを探り、生活教育の原理や社会認識教育の意義、現今の社会科教育実践への示唆を見い出そうと努めています。
- <研究内容>
- 近代日本公民教育史、平和教育、生活綴方・北方性教育
- <講演・講義可能なテーマ>
- 社会科教育実践史、平和教育論、生活綴方・北方性教育運動
研究室の紹介 - 准教授 : 菊地 洋 -
憲法と聞くだけで「敷居が高い」と思われがちですが、そんなことはありません。身近な事例を取り上げながら、分かりやすい講義を心がけています。
研究では、多文化主義の元で文化的・民族的な違いを尊重しながらひとつの社会を形成しているカナダを参考に、多文化共生社会を目指す日本で今後必要となる法制度や権利解釈について検討しています。
憲法は守備範囲の広い学問なので、社会問題などに興味があれば一度研究室を覗いてみてください。
- <研究内容>
- 人権論、マイノリティの権利保障、多文化主義、法教育
- <講演・講義可能なテーマ>
- 憲法とは何か、人権とは何か、アイヌ民族の権利保障、多文化主義の現状と課題
研究室の紹介 - 准教授 : 庄子 元 -
人文地理学の中でも、農業・農村分野が専門です。日本国内では農業従事者の高齢化や米価の下落といった社会・経済的な変化、海外ではモンゴルやナミビアといった乾燥地をフィールドに干ばつや洪水の発生といった自然環境の変化に対して、各地の農業者や遊牧民はどのように食料の生産を継続しているのかを研究しています。
- <研究内容>
- 社会・環境変動下における食料の生産と調達
- <講演・講義可能なテーマ>
- ブランド米は地域の稲作を変えるのか?、草原の国・モンゴルの社会変化と食文化