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 一般的な有機溶媒を用いた溶媒抽出法では、用いる溶媒によって環境に多大な負荷を与える可能性が高いことが知られています。そこで比較的害の無い温度応答性高分子精鋼分子を抽出媒体に用いることが当研究室で行われている研究の1つです。

 温度応答性高分子といっても具体的にはPVME(ポリビニルメチルエーテル)を研究しています。PVMEは下限臨界共存温度である34℃付近以下の温度では水に溶解していますが、それ以上になりますと脱水和反応が起こり、ゲル化して分離・析出します。このとき、PVMEは水溶液中の疎水性物質を取り込む性質を有していて当研究室では、これを利用した溶媒抽出法への応用を現在研究しています。

温度応答性高分子の研究

























 一般的な有機溶媒を用いた溶媒抽出法では、用いる溶媒によって環境に多大な負荷を与える可能性が高いことが知られています。そこで比較的害の無い温度応答性高分子精鋼分子を抽出媒体に用いることが当研究室で行われている研究の1つです。

 温度応答性高分子といっても具体的にはPVME(ポリビニルメチルエーテル)を研究しています。PVMEは下限臨界共存温度である34℃付近以下の温度では水に溶解していますが、それ以上になりますと脱水和反応が起こり、ゲル化して分離・析出します。このとき、PVMEは水溶液中の疎水性物質を取り込む性質を有していて当研究室では、これを利用した溶媒抽出法への応用を現在研究しています。


 一般的な有機溶媒を用いた溶媒抽出法では、用いる溶媒によって環境に多大な負荷を与える可能性が高いことが知られています。そこで比較的害の無い温度応答性高分子精鋼分子を抽出媒体に用いることが当研究室で行われている研究の1つです。

 温度応答性高分子といっても具体的にはPVME(ポリビニルメチルエーテル)を研究しています。PVMEは下限臨界共存温度である34℃付近以下の温度では水に溶解していますが、それ以上になりますと脱水和反応が起こり、ゲル化して分離・析出します。このとき、PVMEは水溶液中の疎水性物質を取り込む性質を有していて当研究室では、これを利用した溶媒抽出法への応用を現在研究しています。

PVME.JPG - 114,489BYTES

 応用例  PVMEを用いたカドミウムイオンの抽出

 
カドミウムは微量でも生物にとって極めて重大な障害を引き起こす元素です。カドミウムは体内に吸収されると陣機能障害、亜鉛酵素の働きの阻害、内分泌かく乱作用、カルシウム代謝異常などが起こり、深刻な障害を与えることが知られています。
 そこで、本研究では上述したPVMEの性質を利用し、第四級アンモニウム塩を用いたカドミウムイオンの抽出法について検討いたしました。
 概要としては、カドミウムイオンはハロゲン化物イオンと反応して陰イオン錯体を形成します。陰イオン錯体はゼフィラミンなどの第四級アンモニウムイオンとイオン対を形成します。本研究ではゼフィラミンを用いてカドミウム-ハロゲン錯体とイオン対を形成させPVMEへと抽出させます。

応用例 2 PVME抽出による微量銅の高濃縮法の開発

 PVME抽出法は従来の有機溶媒抽出に比べて有害性が少ないため人体や環境に安全であり、また、凝集したPVMEの体積が小さいので高濃縮が可能であるという利点がある。
 具体的には、1つは振とう管の中でPVMEを凝集させ、アセトンなどの溶解剤でPVMEを溶解させ黒鉛炉原子吸光計などで測定する方法があります。
 もう1つはフロー抽出法です。これは目的物質、抽出剤、PVMEの入った溶液をポンプで吸い上げ、容積数mlで加熱した適切なフロー抽出容器の中を通し、容器内でPVMEを凝集させます。その後は振とう管を用いた場合と同じです。
 3つ目はビーカーとスターラ、回転子を用いた方法です。ビーカーの中でPVMEを含む溶液を加熱しながら攪拌すると、PVMEがビーカーに付着せずにひとつの塊に凝集することが確認されています。こうなるとPVMEの回収は非常に容易ですし、ごく少量の溶解剤で済むためかなりの100倍以上、やりようによっては1000倍の濃縮も可能であると期待しています。