久坂 哲也
久坂 哲也
HISASAKA Tetsuya
- 所属科
- 理科教育科
- 職名
- 准教授
- 専門分野
-
理科教育
Science Teaching
プロフィール
- 岩手大学教育学部中学校教員養成課程理科卒業(2003年)
- 岩手大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修修了(2005年)
- 鳴門教育大学大学院学校教育研究科高度情報教育センター研究生修了(2006年)
- 岩手県公立学校教員(2006年から2012年まで)
- 大阪大学大学院人間科学研究科臨床教育学講座博士後期課程満期退学(2016年)
専門分野や研究について
私の専門分野は理科教育学です。特に「メタ認知」をキーワードに研究を進めています。メタ認知とは,見る,聞く,考えるなどといった自らの認知活動を高次なレベルから認知する機能で,大脳の前頭前野で働いています。私たち人間が何か間違いに気づいて行動を修正したり,問題解決のためのより良い方法を計画して活動したりすることができるのは,メタ認知の働きのおかげです。また,メタ認知は知能よりも学力に対して強い影響力をもつことが明らかになっています。したがって,学習者のメタ認知を伸ばしたり促したりする指導をすれば,子どもたちの学力を高めることができます。
本研究室では,理科の問題解決や探究場面における学習者のメタ認知の測定や育成など,基礎研究から応用研究まで幅広く取り組んでおり,それらの成果を社会に対して積極的に情報発信しています。
講義/ゼミについて
理科サブコースでは,学部3年次より各研究室に所属し,2年間専門的な学修を行い,その成果を卒業論文としてまとめます。
本研究室では,心理学の知見を基盤とした理科教育学研究を遂行するため,3年前期は教育心理学や理科教育学の基礎を学ぶとともに,統計学の基礎を学びデータ分析のスキルを身に付けます。3年後期はより専門的な知識を習得するため専門書や論文を講読します。また,多変量解析などといったより高度なデータ分析の方法を学びます。4年生になると卒業論文のテーマに関連する内容をより深く学びながら,実際にデータを取得したり分析したりして卒業研究を進めていきます。さらに,毎週金曜の午後に3年生と4年生全員が集まって「理科授業研究会」を開き,理科の授業や教材について授業研究会や教材づくりを通して熱く,そして楽しく学んでいます。このように本研究室では,理科の教師に必要な資質・能力をバランスよく身に付けることができるゼミ・カリキュラムを構築しています。
高校生へのメッセージ
今,世界はVolatility(変動性),Uncertainty(不確実性),Complexity(複雑性),Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなぎ合わせたVUCA(ブーカ)時代と呼ばれ,将来の予測が困難な時代と言われています。このような時代を賢明に生き抜くためには,問題を科学的に解決できる能力を身に付ける必要があります。そして,学校教育においてその重要な役割を担っているのが「理科」です。
優れた理科の教師とは,物理学,化学,生物学,地学といった「教科内容」についての専門性に加え,授業開発や教材開発といった「教授方法」についての専門性,さらには心理学や学習科学などの知見に基づく「子ども理解」についての専門性を兼ね備えた教師といえます。当然ながら,この3つの領域に強くなることは簡単なことではありませんが,理科サブコースには各領域の専門スタッフが揃っており,4年間の学びを通してその基礎を積み上げることができます。
高校生のみなさん,問題を科学的に解決できる能力を育成することができる優れた理科の教師を目指して,私たちとともに学んでいきましょう。