中谷 紘子
中谷 紘子
NAKATANI Hiroko
- 所属科
- 英語教育科
- 職名
- 講師
- 専門分野
-
英文学
English Literature
プロフィール
- 同志社大学文学部英文学科 (2005)
- 大阪大学大学院文学研究科博士前期課程(文学)(2007)
- 武庫川女子大学大学院文学研究科博士後期課程(文学)(2022)
専門分野や研究について
専門はイギリス文学です。その中でも特に20世紀前半に英国で活躍したヴァージニア・ウルフという女性作家を中心に、最近では現代文学も視野に研究しています。
ヴァージニア・ウルフの活躍した時代は第一次世界大戦から第二次世界大戦のあいだの戦間期と呼ばれる期間にあたります。近代化によって人々の生活が機械化、都市志向と大きく変わり、さらに大戦によって社会の秩序が乱れ、それまでの価値観に対する揺らぎが起こります。そのような時代に、人間の「生」というものをどう捉えたら良いのか、自分自身をどのように成り立たせてゆくのか。時代を問わず人間として関心を持たずにはいられないこのようなテーマにウルフは取り組んでいます。彼女の哲学に迫るべく、小説やエッセイ、伝記などを読んで研究を進めるわけですが、何といってもウルフの魅力はその文章の美しさと見事な構造です。小説というジャンルであるからこそ表現できるその技巧を解き明かしながら、文学という文字芸術と向き合っています。
講義/ゼミについて
私の専門分野がイギリス文学なので、取り扱う作家や作品は英国のものが多くなってしまうのですが、授業では文学作品に実際に触れて(読んで)もらうことを大切にしています。時には映像なども使用しながら実際に英語の原文に体当たりし、それぞれが気づいたことを共有しながら授業をすすめます。英語で内容を理解しようとすることで、日本語との違いに気づけることもありますし、外国文学を理解するためには特に、作品が書かれた文化・時代背景を知ることが必要になります。世界史の知識も動員しながら、一人一人が自分なりの解釈を行うことが一つの大きな目標になります。
例えばゼミではひとつの小説作品を1学期で通読しています。毎週、相当量の英文と戦ってもらっていますが、面白いのは、気になるポイントや心に響くポイントがそれぞれ異なることです。それぞれが独自の視点をクラスでシェアするだけでも面白い議論になることもあります。正解のない問いが出てくることも多く、皆で頭を捻りながらそれぞれの解釈を組み立てる練習をしています。
高校生へのメッセージ
「文学」と聞くと、何やら堅苦しくて小難しそうと思う人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。幼い頃に読んでもらった絵本や、『くまのプーさん』、『ハリー・ポッター』なども立派な文学です。何気なく触れてきた文学に、もうすこし腰を据えて取り組んでみたら、新たな視点が得られるはずです。それはどんなに優秀なAIにもできない、あなた自身の経験になります。私の研究対象であるヴァージニア・ウルフは、「文学はだれの私有地でもありません。文学は共有地です。…中略… 自由に恐れずに侵入して、自分で自分なりの道をみつけましょう」と語っています。そう、身構える必要はないのです。もちろん「文学」は英語で書かれたもの以外にも存在します。まずは英語の文学から始めて、それを新たな扉として、より広く、多様な世界へと繋がる道を探してみませんか。