山路 茜
山路 茜
YAMAJI Akane
- 所属科
- 学校教育科
- 職名
- 准教授
- 専門分野
-
教育心理学・授業研究
Educational Psychology・Lesson Study
プロフィール
- 東京大学教育学部(2010)
- 東京大学大学院教育学研究科修士課程 修士(教育学)(2012)
- 東京大学大学院教育学研究科博士課程 博士(教育学)(2017)
専門分野や研究について
専門は授業研究です。教室にはさまざまなコミュニケーションのかたちがあります。1人ひとりの子どもの学びが成立するにはどのようなコミュニケーションが生まれたらよいのか,そのようなコミュニケーションを生み出すためには何が必要なのかを考えています。
特に,援助要請と協働的な学びに興味があります。援助要請とは,授業中に困ったことや学習内容についてわからないことがあるときに,子どもが「わからない」と言うなどして表出することや他者に具体的に尋ねることなどを指します。誰かの「わからない」がみんなの「考えたいこと」という問いになって,教室のコミュニケーションや学びの質が変わることがあります。援助要請が安心して行える仕組みやプロセスを研究しています。
また,授業研究を通した教師の学びにも関心があります。教師個々の授業イメージを出発点としながら,学年・教科・学校で育てたい子ども像に向けて,授業をみたときにどのような語り方をすれば教師にとって学びとなるのかを探究しています。
講義/ゼミについて
講義では(授業中の子どもの学びにかぎらず)教育心理学,学習心理学,認知心理学といった,人が見る,考える,学ぶ,記憶する,理解する,問題解決するなどのさまざまな心の動きについて捉える視点を獲得したり,それをもとに日常の物事の受け止め方を振り返ってみたりします。
3年生の後期から始まるゼミでは,事例をもとに考えを交流する活動,文献や論文を読み合う活動,各自の研究テーマに沿った報告をもとに相談する活動を行っています。教えることと学ぶことのプロセスに関心のある学生が,各自の問いを探し,教育実践のフィールドでの観察・調査や実験的な観察などそれぞれの方法を考えて卒業論文に取り組んでいます。テーマや進路は多様ですが,どの学生にもゼミでの経験を通して,目の前で生じた出来事がどのようなものであるかを丁寧に読み取り,その出来事が生じた背景やきっかけ,そこから導かれうる課題などを思考する力を学び合ってほしいと願っています。
高校生へのメッセージ
誰もが授業を受けたことがあり,多かれ少なかれ「授業とはこういうものだ」という授業イメージを持っていると思います。一方で,大学生たちに授業イメージを尋ねると,そこにはさまざまな違いがあります。自分が思っているより,授業や教室というのは決まったかたちのないものです。
教室は正しい答えをまとまった話し方で発表する場所でしょうか?教室は生じた疑問をつぶやいたり,他者のことばから自分の考えを形成したりするための場所でしょうか?どれか1つが正解という単純なことではないと思います。自分だったらどのような教室で学びたいか,子どもたちにこれからの社会で必要な力を身につけてもらうにはどのような教室にしたらよいか,考え続けることがきっと大切です。
教室で教えること・学ぶことのイメージを広げ,自分が気になることを探究してみませんか。